| 
|   081 猫と犬 |  | 
日時: 2012/05/12 12:01
名前: ****
 
猫と犬の違いについて、色々と書き留めてみる。勿論、私は動物学者でもなんでもないので、書物から得た知識と動物好きとして感じた事をつらつらと書き綴るだけです。
 ここで言う「猫と犬」は「イエネコとイエイヌ」の事です。
 
 イヌもネコもも元々は、「肉食」動物です。
 オオカミは現在でも肉食ですが、イヌは人間との生活の中で雑食と変化しました。
 これはイヌを育てるためにエサとなる大量の肉を用意する事はコストが伴わなかったためと思います。
 オオカミにとってその仕事が狩であるようにイエイヌにとって仕事が狩りであったのであれば肉食のままだったかもしれません。
 しかし、イヌは牧羊などの仕事以外の時間帯、紐に結ばれるなど行動を制限され、自由に獲物を狩る事が出来ませんでした。
 当然、イヌは人間に与えられたエサで生活する事を強いられました。
 人間はイヌのエサに穀物などを混ぜ、水増しさせました。
 これが、肉食から雑食へ変わった大きな要因と思います。
 それに反し、イエイヌと同様に人間と生活したイエネコは、肉食のままです。
 人間がネコに与えた仕事は、保存する穀物などの食料をネズミから守る事でした。
 ネコは紐などで拘束される事無く、自由に動き回り、人間が求めるようにネズミを狩り、エサとして食べ続けました。
 ネコにとって、ネズミは最高のバランス栄養食品です。
 イヌ同様に穀物を混ぜたエサを与えられたとして、また、それを食べたとしても、
 ネズミを食べ続けるネコは肉食のまま、その食性を変えませんでした。
 と言うか、変える必要がなかったんですね。
 
 イヌは「群れ」をなす動物ですが、ネコは「単独」で生きる動物です。
 オオカミは一対の夫婦を基準とした家族で群れを作ります。
 群れの中では明確に順位が作られます。
 そして、リーダーの指示に従い、狩りを行います。
 リーダーには群れを守る責任が重大なのです。
 イヌものこ習性を忘れずに人間と生活しています。
 家族の中で自分の順位を決めて、上の者には服従し、下の者には従いません。
 飼い犬が言う事を聞いてくれない場合、あなたはイヌにとって順位が下の者として認識されています。
 要は、舐められています。
 ネコは単独で生きる動物ですので、その行動は全て自分で判断します。
 獲物を狩る事も、敵から身を守る事も、縄張りを守る事も、全て自分で判断し行動します。
 その結果も全て自分ひとりで受け止めます。
 あなたに甘える時も、あなたと遊ぶ時も、あなたの膝の上で眠る時も、全て自分の判断で行動します。
 あなたが飼い猫を呼んだ時に「来るか来ないか」は、あなたに決定権はなく、ネコの判断次第なのです。
 ネコの行動の結果は、全てネコ自身にあります。
 ネコは結果の責任をあなたに押し付ける事はありません。
 
 イヌは「食事中」に手を出すと飼い主であっても攻撃する事があります。
 食事中に手を出す事は「飼い犬に手を噛まれる」危険があります。
 ネコは食事中に手を出しても攻撃してくる事はありません。
 逃げ出すか、または、触られるがままにして食事を続けます。
 ネコに触りたいけど触らせてもらえないとか、ネコが怖くて触れない人は、
 食事中のネコにそっと近づき、そっと背中を撫でて見て下さい。
 気を許してくれれば、振り向く事はあっても、そのまま食事を続けると思います。
 
 ネコやイヌに「触る」時に頭を撫でるのは止めましょう。
 目の前から視界を遮る様に掌が近づいてくる事は、ネコにもイヌにも「恐怖」でしかありません。
 慣れた飼い主ならば恐怖心も少ないかもしれませんが、
 見ず知らずに人間が視界を遮るように手をかざしたら「恐怖」以外の何物でもありません。
 当然の行動として、恐怖を払いのけるため「攻撃」の対象となります。
 イヌなら噛み付き、ネコなら引っかくでしょう。
 ネコやイヌに触りたいのであれば、
 目線より下に手を出し、鼻先に近づけ匂いを嗅がせ、安心させてあげて下さい。
 
 イヌは「泳ぎ」、ネコは「泳がない」。
 勿論、個体差があり、泳げないイヌもいれば、泳ぐネコもいます。
 ネコだって、子供の頃から水に慣れさせば泳ぐんですよ。
 
 イヌの「毛」には分泌された脂が乗っているので雨を弾きますが、ネコの「毛」には脂がなく雨を弾きません。
 ですから、イヌは雨の中を平気で行動しますが、ネコは雨を嫌います。(毛が濡れる事を嫌います。)
 イヌはブルブルと体を揺すり水を弾き飛ばせば大半の水を弾き飛ばせますが、
 ネコはペロペロと丁寧に毛づくろいをしないと毛についた水を取れません。
 
 熱い物が食べられない人を「猫舌」と言いますが、食べられる物の熱さはイヌもネコも同じ様なものです。
 人間以外に動物は「火で調理する」事はありません。
 ですから獲物の体温以上の温度の食べ物を食べる事がないのです。
 
 イヌは「頭が良い」が、ネコは「頭が悪い」と言われますが、本当でしょうか?
 人間の命令を良く聞くイヌは「頭が良い」と言われますが、頭が良いから命令を聞くのではありません。
 群れで行動するイヌはリーダーであるあなた(飼い主)に認められたいと思っています。
 リーダーに認められる事は群れでの序列にも影響するからです。
 リーダーに認められる事は、犬社会には重要な事なのです。
 ですから、リーダーに忠実であればある程、「待て!」と命令されれば、グッと堪えて待ち続けます。
 リーダーにどれだけ忠誠を尽くすかは、リーダーに認められたい証なのです。
 飼い主にとって、どれだけ犬に愛されているかのバロメーターでもあります。
 恐怖だけでリーダーとして認められている飼い主では、本当の意味での忠誠心は得られません。
 犬は飼い主の「リーダーとしての資質」を見抜きます。
 リーダーとして認められ愛される飼い主には、実に忠実な生き物です。
 この忠実さが「頭が良い」と評価されているのです。
 それに反して、単独生活を基本とするネコはあなた(飼い主)に認められたいとは思っていません。
 飼い主はリーダーではなく、ただの「仲間」です。
 餌を用意してくれる奴隷でもあります。
 では、飼い主を大切にはしていないかと言うとそうでも有りません。
 「とても大切な仲間」と捉えています。
 病気で寝込んだ時などは、一日中寄り添っていたり、ネズミやスズメを捕らえて来てくれたりします。(要らないけど^^;)
 イヌはイヌの、ネコはネコの「習性」に従って行動しているだけです。
 
 群れに生きるイヌは、「体調」が悪いと仲間に甘えます。
 狼を見ても分かるように、怪我や病気の仲間を助け合うからです。
 ですから、病気になった犬イヌは飼い主が気を付けていればすぐに分かります。
 ところが、単独生活を基本とするネコは体調の異変を隠そうとします。
 ギリギリまで普段と変わらないように振舞います。
 ですから、病気になったネコは飼い主が余程注意していないと分かりません。
 ネコの病気は気が付いた時には重病(手遅れ)と言う事が多々あるので注意して下さい。
 
 イヌもネコも人間のパートナーとして長い歴史を生きてきましたが、
 まったく別の生物である事を認識して下さい。
 イヌネコに限った話ではありませんが、
 特性・習性を理解して接してあげれば、良い部分がたくさん見えてくると思います。
 |  |