075 ベルクマンの法則 |
- 日時: 2012/03/26 03:25
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- 「恒温動物においては、同じ種でも寒冷な地域に生息するものほど体重が大きく、近縁な種間では大型の種ほど寒冷な地域に生息する」
ドイツの生物学者クリスティアン・ベルクマン(Christian Bergmann)が1847年に発表した。 恒温動物は体温を一定に保つため、体内で熱を生産している。 生産された熱の放出は体表から行われている。 熱の生産は体重に比例し、熱の放出は表面積に比例する。 体長が大きくなるにつれ、体重当たりの表面積は小さくなるため、熱の生産効率が良くなる。
例えば、ヒグマ(羆 / Ursus arctos / Brown bear・Grizzly bear)。 エゾヒグマ(Ursus arctos yesoensis)の体重は100kgほどなのに対し、 ウスリー(ロシア / Ursus arctos lasiotus)は200kgほどで、 コディアックヒグマ(カナダ・アラスカ / Ursus arctos middendorfii)は300kgほど。
例えば、トラ(虎 / Panthera tigris / Tiger)。 アムールトラ (Panthera tigris altaica) の体重は180-300kgほど、 ベンガルトラ(Panthera tigris tigris)は180-258kgほど、 スマトラトラ(Panthera tigris sumatrae)は100-140kgほど。
例えば、ニホンジカ(日本鹿 / Cervus nippon / Sika Deer)。 エゾシカ(Cervus nippon yesoensis)は90-140kgほど、 ホンシュウジカ(Cervus nippon centralis)は70-110kgほど、 ツシマジカ(Cervus nippon pulchellus)は40-100kgほど、 キュウシュウジカ(Cervus nippon nippon)は60-100kgほど、 マゲシカ(Cervus nippon mageshimae)は30-50kgほど、 ヤクシカ(Cervus nippon yakushimae)は40kgほど、 ケラマジカ(Cervus nippon keramae)は30kgほど。
※以下、参考までに 【生物分布の法則】 ・ベルクマンの法則……寒い地域に住む種類ほど体が大きくなる ・アレンの法則……寒い地域に住む種類ほど突出部が小さくなる(「076 アレンの法則」参照) ・フォスターの法則……島嶼部においては、大型動物は小さくなり、小型動物は大きくなる ・グロージャーの法則……寒い地域に住む種類ほど体色が薄くなる
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