051 猫の足 |
- 日時: 2011/07/04 01:38
- 名前: ****
- 人間の足は、爪先から踵(かかと)まで地面につけます。
この立ち方は、直立する時に安定しますが、早く走る為には不向きです。 この様な人間を含む霊長類・熊・パンダなどを「蹠行(しょこう)動物」と言います。
早く走る為には出来るだけ足を長くする事が有利です。 踵を浮かせ、爪だけで立てば、足が長くなり、早く走る事に向いています。 蹄(ひづめ)で立つ馬・羊・山羊・牛などを「蹄行(ていこう)動物」と言います。
「蹠行動物」と「蹄行動物」の中間に「趾行(しこう)動物」がいます。 踵を浮かせ、指で立つ、いわゆる爪先立ちをしている動物です。 足を長くする事で早く走る事にも向いていて、 左右への機敏な動きにも優れている為、猫・犬など多くの哺乳類や鳥類はこの仲間になります。
分かりにくいかもしれませんが、「人間の手」で表現すると、 手の平をぴったりと地面につけた状態が「蹠行」、 手の平を上げ指だけをつけた状態が「趾行」、 爪だけを地面につけた状態が「蹄行」と言う事です。
猫の足は「趾行」、即ち、「指だけつけた」状態です。 瞬発力と速度を兼ね揃えた足をしています。 それに付け加え、格納式の爪で瞬発力を高めています。
肉球が付いている部分は、指なのです。 前方に四つ、真ん中に大きなのが一つ、後ろに小さなのが一つ(これが実質の親指♪)、 ここまでが人の手で言えば「指」になるのです。
動物を描く事が苦手な人の絵は、これら「足の関節」がおかしくなっている事が多いです。 接地面から上がった最初の関節は「踵(かかと)」なので前向きに折れるはずなのに 「膝(ひざ)」を描いてしまい後ろ向きに折れている場合が良く見られます。 また、全体の足の長さに対して指先から踵までの長さ(人で言う足の大きさ)はとても長いです。 「爪先〜踵(かかと)」と「踵(かかと)〜膝(ひざ)」は同じくらいの長さです。 ここを注意するだけで、「動物の絵が上手に見える」のです。 是非試しに動物を描いてみて下さい♪
蛇足ですが、 「蹄(ひづめ)」で立つ動物の内、 蹄の数が奇数のものを「奇蹄目」、偶数のものを「偶蹄目」と分類します。 伝染病で昨今騒がれる「口蹄疫」は、「偶蹄目」に感染する疫病です。 ですから、牛・豚・羊・山羊・鹿・猪などは感染しますが、「奇蹄目」の馬には感染しません。
※厳密に言えば「偶蹄目およびハリネズミ・ゾウ」に感染します。他にも居るかもしれませんが知りません^^; ※「偶蹄目」は「鯨偶蹄目」なので、鯨にも感染するのかなぁ〜? ※ゾウは蹄を持っているため「有蹄類」に分類される事がありますが、「蹄行動物」じゃなく「趾行動物」ですよね^^;
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