044 爪 |
- 日時: 2010/08/31 22:34
- 名前: ****
- 猫の爪はとても便利に進化しています。
犬など他の動物たちと比較して特に注目すべき点は、格納できる事でしょう。 ネコ科の動物(チーターは除く)は、必要に応じて爪を出したりしまったり出来るのです。 獲物に近づく時は、硬い爪が地面に触れて音を出さない様に格納します。 いざ獲物に襲い掛かる時は、その爪を出し、獲物を捕まえます。
室内飼いの犬がフローリング床を歩くとコツコツと音が鳴りますが、 猫は歩いても音は出しません。 ダッシュする時、急制動をかける時、木に登る時など必要に応じて爪を出し入れします。
猫には「爪とぎ」が必要です。 室内飼いの猫に「爪とぎ」を用意してあげないと、柱などで爪を研いでしまいます。 猫の爪とぎも個体差がありまして、 柱や壁など縦方向に有るものを好んだり、床など水平方向にあるものを好んだりします。 最近では、ペットショップにおいてダンボール製の爪とぎが売られていています。 これは床に置いたり、柱や壁に立て掛け(固定しないと倒れます)て使えるのでとても便利です。
勘違いされがちなのですが、猫の爪とぎは「爪を削る」のではなく、「爪を剥がす」事です。 猫の前足に生える爪は、脱皮する様に剥がれます。 人間の様に伸び続けるのではなく、下から新しい爪が生えてくるのです。 猫の爪とぎ後に周りを探すと剥がれ落ちた爪が見つかります。 後足の爪は、伸びるタイプの爪ですけどね。
この格納タイプの爪は、瞬発力を求めたネコ科の進化の現れです。 音を立てずに忍び寄り草陰から飛び出す時や木に登るのに適した形態へと進化しました。 単独生活をするネコ科の動物は、獲物を捕獲するために「口の牙」だけでなく「前足の爪」も武器としました。 これと比較してオオカミを始めとするイヌ科の動物は、瞬発力ではなく「長距離を駆ける」ための進化をしました。 武器は「口の牙」だけとし、その分安定して獲物を追い続けられる様に前足は走る事に特化したのです。
地上最速の動物であるネコ科のチーターの爪は、ネコタイプの格納式ではなく、イヌ科の動物と同じです。 つまり、大地を走るにはイヌ科の爪が適しているようです。
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