027 【脱線】絶滅 |
- 日時: 2009/10/22 21:12
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- 本来、日本に生息していない動物を「外来種(外来動物・外来植物)」と言います。
近年、この外来種の存在が問題として取り上げられる様になってきました。 有名な所では、「ブラックバス」「ブルーギル」と言った水生動物が「釣り」の為に持ち込まれ、在来種を絶滅の危機に追いやっています。
人間の都合で持ち込まれた「外来種」達に罪は無いのでしょうが、生存競争に強い「外来種」の移入の為に「何千年、何万年の時を生き抜いてきた在来種(固有種)」が絶滅する事は見過ごせません。
あくまでも私見ですが、「釣り」のために「自分が所有管理する」池・湖に外来種を放すのであれば、自己責任で行うのは自由だと思います。 勿論、台風などが来ても「逃げ出さない」措置を完全に行う事が前提です。 逃げ出した場合は、どれだけ費用が掛かろうが「私財を投売って」現状復旧(外来種の回収・駆除)を行わなければいけません。
残念な事に現在の「ブラックバス・ブルーギルなど」を放流(リリースも含む)する人達は、そこまでの責任を取る気がある人は見当たらないですね。 「ブラックバスにも生存権がある。」とか、 「釣りを楽しんで何が悪い。」とか、 「自分が放流したものではない。」とか、 「ゴルフ場など環境破壊が酷い物は他にもある。」とか……。 私からすれば、「だから何?」って感じです。 他にも「悪い事」はあるのだから、「これくらい良い」なんて事にはなりません。
本来、「その環境でしか生存できない貴重な種が生きるべき場所を人間の楽しみの為に奪い、貴重な種を絶滅させる。」事が許せないのです。
かつて、日本には「メダカ」というありふれた魚が豊富にいました。 田んぼや小川に群れを成していた魚です。 「メダカの学校」と言う歌までもある日本人には馴染みの深い魚です。 川遊びをした事のある子供は全て、川に入らない子供でも誰もが見た事のある魚でした。 現在、自然の中で生存する「メダカ」を見た事のある人がどれ程いるでしょうか? 野生のメダカを見たことのある人は、それは非常に貴重な経験なのです。 「メダカ」は絶滅危惧種です。 現在、川で見かける「メダカのような魚」はほとんどが「カダヤシ」と言う別の魚です。 (特に都会では、野生のメダカは見られない。) 「カダヤシ」は、「蚊絶やし」と言われ、かの幼虫であるボウフラを退治するために移入されました。 生存圏がメダカと重なり、生存競争に勝った「カダヤシ」が繁栄し、負けた「メダカ」は絶滅の危機に瀕しています。 日本各地にあれほどいた「メダカ」が絶滅の危機に瀕しているのが現状なのです。
絶滅した種は、復活する事はありません。 日本列島が大陸とつながったり、離れたりを繰り返した太古の時代から、長い時を掛けて形成された「固有種」が、現代人の無知により絶滅するのです。 現在、日本にいる「トキ」は何千年・何万年の年月を日本で生き抜いた「トキ」ではありません。 かつて、日本の食物連鎖の頂点に居た「ニホンオオカミ」も「エゾオオカミ」も今ではいません。 ※「ニホンオオカミ」は日々探し続けている方々もいます。生存しているかもしれません。 ※「エゾオオカミ」は北海道にはいませんが、「国後島(現在ロシア領)」にいるかもしれません。
「種の多様性の必要性」 何故?絶滅してはいけないのか? 生存する種が絶滅したら、かわいそうだから? 勿論、そう言った感情的な部分もあります。 しかし、多くの種が生存する事には意味があります。 例えば、地球上に一種類の動物しかいなかったとします。 そこへ、ウィルス性の伝染病が発生したら、動物は滅亡してしまい、地球上に動物はいなくなってしまいます。 しかし、複数の動物が存在し、ウィルスに対し耐性を持っていれば、動物は生き残る事ができます。 これを人間向けの医学に応用する事によって、人間の生存に有効な研究をする事も可能です。
人は一人では生きていけません。 同じ様に生物も一種類では生きていけません。 食物連鎖の頂点にいる動物もいくら強くても捕獲される動物がいなくなれば死滅します。 草食動物は、捕食者である肉食動物がいなくなると、個体数の調整が出来ず、食べ物である植物を食べつくし死滅します。 ※草食動物が増える方が、地球環境は早く悪化します。
どの生物もいなくても良いなどとは言えません。 どの生物も地球に必要なのです。 あえて不必要な生物を挙げるとすれば、地球を破壊し浪費し続ける「人間」かもしれません。
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