019 猫の目・猫の鼻 |
- 日時: 2009/10/07 21:22
- 名前: ****
- 犬の嗅覚は、人間の100万倍もあると言われています。
その能力を生かして警察犬として多くの犬が活躍しています。 猫の嗅覚は、犬には遠く及びませんが、人間の数倍〜数十倍あると言われています。
猫の食事は、実はこの嗅覚が頼りです。 食べ物であるかどうかの判断は、嗅覚で行います。 ですから、病気や怪我で匂いを嗅ぎ分けられなくなると食事が出来なくなってしまいます。 猫にとっては、死活問題なのです。
猫を飼われていて、こんな経験は無いでしょうか? 「猫缶(缶詰タイプの猫の餌)」の余りをラップして冷蔵庫で一旦保管し、それを猫に与えたら猫が見向きもしなかった。 または、冷蔵庫から出したばかりの「刺身・ハム」などを与えようとしたが、見向きもしなかった。 「お腹が空いていないのかな?」って感じになりがちですが、 これは「猫缶」の中身や「刺身・ハム」が冷たくなって匂いがしなかったため、猫が食べ物と判断できなかったのです。 また、掌(てのひら)に載せると食べるのに皿に盛って与えると食べない。 「我侭なヤツだな〜」って感じになりがちですが、 掌にあるものは「飼い主のあなたを信用して食べ物の匂いがしないけど」食べるのです。 (もしくは、掌で暖められて匂いが出始めたのかもしれません。) こんな時には、それらをレンジで暖めて与えると匂いが出始めるので猫は喜んで食べるようになります。
猫は「猫舌」で熱い食べ物は食べられませんが、狩猟型肉食動物なので獲物の体温と同じ程度の温度が一番食べ頃なのです。 決して、猫舌だから冷たい食べ物が好きと言う訳ではありません。 人間以外の動物は、火を使って調理する事がないため、常温のまま食べるのです。
猫は食事以外にも多くの事を嗅覚に頼っています。 猫はあなたの事も嗅覚で判断しています! あなたの匂いを覚えていて、あなたと判断します。 人間は個体の特定を視覚で行いますが、猫は個体の特定を嗅覚で行います。
猫は視覚が弱く、動いていない物は10〜20m位までしか良く見えません。(動いている物は50m位先まで判断できます。) 自分の飼い猫に道で無視された事はありませんか? 「薄情なヤツだな〜」って感じになりがちですが、猫にはあなたを判断できていないのです。 そこで声を掛けてやると「大好きな飼い主なの?」って感じでじっと見つめます。 しかし、完全にあなたと判断できないために警戒心を解かずに身構えてじっと見つめるのです。 こんな時は、声を掛けながらゆっくりと近づいてあげましょう! (猫は聴覚が優れているので声で飼い主を判断できますが、外で会った場合には「飼い主で無かった場合」に危険なので警戒心を解きません。) あなたの手や足の匂いを嗅いで、初めて猫は安心できるのです。
あなたの手足や机・椅子の脚、柱などに体をこすり付けているのは、自分の匂いを付けているのです。 他の猫とあった場合に体を摺り寄せているのも「仲間」の証として自分の匂いを付けています。 次に会った時に「自分の匂い」が付いていれば、すぐに「仲間」と判断できるのです。
猫は人間と比べて「近眼」なのです。 20mも離れるとぼんやりとした形しか分かりません。 更に人間のようにフルカラーの世界に生きていません。 ほとんど白黒(モノトーン)の世界で生きています。 (最近の研究で緑と赤は、うっすらとですが区別できている事が分かりました。) また、その解像度も人間の10分の1程度しかありません。 (新聞の文字を10倍に拡大しないと文字と文字の違いが判断できないと言うことです。)
但し、猫の目が全ての面で人間に劣っている訳ではありません。 猫は、ほぼ暗黒の世界でも物を見る事ができます。 (完全な暗闇ではやはり見えませんけどね。) そして、「動く物」であれば、夜中の50m先でも判断する事ができます。 遠くの獲物や敵をいち早く察知できる様に「動体視力」が発達しています。
動物は目の位置で肉食(捕獲する側)か草食(捕獲される側)かが分かります。 (絶対ではないですけどね。) ■捕獲する側の動物は、顔の前面に付いています。 これは、獲物までの距離を正確に測るためです。(猿の場合は、飛び移る木までの距離を正確に測るため) (両眼視野:猫は120度。猿は115度。馬は95度。) ■捕獲される側の動物は、顔の側面に付いています。 これは、視野を広げて、敵の存在をいち早く見つけるためです。 (全体視野:馬は330度。猫は250度。猿は230度。人間は210度。)
猫は両眼視野が120度と広く、獲物までの距離を測りやすいのですが、全体視野も250度と広く、広い範囲に獲物を察知する注意を払っています。 猫の目は、飼い主の顔を見るためには節穴の様ですが、暗闇で動き回るネズミを捕らえるには最高の目なのです。
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