013 【脱線】ニホンオオカミ(日本狼)について |
- 日時: 2009/10/05 13:37
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- 「科学の世界で私達が真実だと思っている事や常識の99.9%は、仮説に過ぎない。」(「99.9%は仮説」竹内薫著)
「ニホンオオカミが絶滅した」と言う常識は、誰が実証したのでしょうか? 実は誰も確認していませんし、誰も正式に生態調査などしていません。 そもそも「ニホンオオカミ」がどんな動物なのかを正確に説明できる人など何処にもいないのです。
ハイイロオオカミの亜種であるニホンオオカミの基準(タイプ)標本は、オランダのライデン博物館にあるシーボルトが日本から持ち帰って作成された標本です。 しかし、この標本が本当に「ニホンオオカミ」の基準となるべき個体なのか誰も判断できません。 ライデン博物館にある標本を「ただの野化犬か、ニホンオオカミと犬の雑種」ではないかと考える動物学者すらいるのです。 本州の北端である青森県から九州の鹿児島県まで広い範囲で生息していたニホンオオカミですが、それが1種だったのか、多種が存在したのかも判らないのが現実です。 ライデン博物館の標本よりも「和歌山県立自然博物館(和歌山大学寄贈)にある標本」こそ本物のニホンオオカミであると考える動物学者もいます。
現存するニホンオオカミの標本は、「オランダのライデン博物館(基準標本)」「和歌山大学」「国立科学博物館」「東京大学農学部」と4体しかありません。 いずれも作成が古い(約100年経過)ため、標本としての出来は不十分な物しかありません。 後は、毛皮が数枚存在するだけです。
ニホンオオカミは、1905年(明治38年)1月23日に、奈良県東吉野村鷲家口で捕獲された若いオスが確実な最後の生息情報となり、その生存が50年以上確認されていないために「絶滅種」となっています。
1996年10月14日夜、秩父山中にて「犬とは形態が違うイヌ科の動物」が撮影されました。(秩父山犬) 2000年7月8日18時頃、祖母・傾山系「ニホンオオカミに極めて類似するイヌ科の動物」が撮影されました。(祖母山犬)
これらの写真が公開されると「ニホンオオカミ」の生存の可能性が新聞などで取りざたされました。 特に2000年に撮影された「祖母山犬」の写真は、近影で撮影枚数も多く、明るい中での撮影でその姿は鮮明に映し出されています。 (スクープとして取り扱った「読売」「毎日」は肯定し、出し抜かれた「朝日」は否定した。) 「ニホンオオカミである」とする動物学者は、標本及び残された文献から、 1.耳の前から頸(くび)に走る頬髭 2.後ろが断ち切られた様な頸(くび)の鬣(たてがみ) 3.手首の上方前面にわずかに見える暗色斑 4.先が断ち切られた様な尾(←これは標本でも見られるニホンオオカミの特徴) 5.尾の基部上面(スミレ腺)と先端部の限られた黒色部 の特徴から間違いないと断定しました。 犬は、5点全てが異なり、タイリクオオカミは4だけが異なります。 これに対して、「ニホンオオカミではない」とする動物学者は、 この写真を見て「シェパードもしくはシェパードとオオカミの雑種に見えた」と否定しました。 素人の私から見ると確かに「痩せたシェパード」に見える。 しかし、獣医師によれば「シェパードには見えない。シェパードならもっと腰が下がっている。」と一目見て判るそうです。 写真をじっくり見てもシェパードに見えてしまうこの動物学者によると「(近影している事に対して)オオカミならば、人間に対して警戒心が無さ過ぎる。」そうです。
最後のニホンオオカミとされる個体が確認されて、100年近くも過ぎ、ニホンオオカミの生態は誰にも判らないのに「人間への警戒心」などで否定するのはおかしくないですか? 古来、日本では、「狼がトコトコと人間に付いて来た」そうです。 これを「送り狼」と言います。 「狼が付いてくるので途中で転ぶと襲われる。」と言う言い伝えと共に「狼が送ってくれると猪や熊に出会わずに安全に辿り付ける」と言う言葉として残っています。 農耕民族である日本にとって、農作物を荒らすのはシカ・カモシカ・イノシシなどで、それらを駆除するオオカミは農民にとって敵ではなかったのです。 ですから、日本各地で「狼を神とする神社」が存在するのです。 ニホンオオカミは、残された文献からすると人間に対して大きな警戒心は持っていなかったのではないでしょうか?
シェパードが見分けられない動物学者が会長を務める「日本オオカミ協会」なる団体があります。 名前からすると「ニホンオオカミ」が現存したら、在籍する動物学者は手放しで喜びそうだと思いますが、現実は違います。 日本オオカミ協会の機関紙では、写真に写るイヌ科の動物に対して、「世界の狼は通常生態で丸い物(尾)はなく、尾の用途から丸い形状を維持しない。」として頑なに否定します。 しかし、世界の狼たちの尾の先端が尖っているから「写真の動物はニホンオオカミではない」と言われても、ニホンオオカミの特徴に「尾の先端が丸い」と言う項目がある点を「ニホンオオカミ協会」の学者達は誰一人として知らないと言う事なのでしょうか?
「ニホンオオカミ」が現存すると困る人々
どんな事にも裏と表がある様に、「ニホンオオカミ」に関する動物学者の中にも裏と表があります。 日本で絶滅したはずのニホンオオカミが現存すると困る動物学者がいると言う事です。 「日本の森林は、狼の絶滅により、シカ・カモシカなどの動物の食害で破壊されています。これを中国から狼を移入して元に戻そう」とするプロジェクトがあります。(前回の内容です^^) 日本にニホンオオカミが現存したら、このプロジェクトはお終いです! 多大な労力や時間・経費が一瞬にして水の泡と化すのです。 そしてそのプロジェクトを推し進める団体が「日本オオカミ協会」なのです。
「絶滅したと言われるニホンオオカミが現存した」としたら、どれ程の人々が悲しむのでしょうか? 恐らく、「日本オオカミ協会」の関係者だけが世界中で唯一悲しむ存在です。 本当に動物学者ならば、「写真から見られる特徴」からニホンオオカミであるかを判断するべきではないですかね。 そして、人として「ニホンオオカミの現存を望んで欲しい」と思います。 ここまで「ニホンオオカミ」の特徴を持った動物の写真が取られたのだから、調査もせずに否定する事自体が動物学者として既に間違っています。 ニホンオオカミが現存したら、その個体数を増やし、自ら進める「狼を森に放つ」計画を進めれば良い。 と言うか、日本に本来居ない中国産の狼を放す前に「ニホンオオカミを探し、増やし、放つ努力をしろ!」と言いたい。
シカやカモシカによる森林破壊をオオカミで調整すること自体は素晴らしいと思うが、心が腐っている動物学者が無理に進めると必ず歪みが生まれる。 純粋に正しいと思って行っても間違いを犯すのが人間です。 自分達の利害によって正しい判断を行おうとしない「日本オオカミ協会」が進めるプロジェクトでは、必ず間違いが発生するでしょう。 彼らは、「金銭的メリット」か「大プロジェクト実行の名誉」にしか興味が無いのだから……。
日本には、「オオカミを見た」と言う人はたくさんいます。 ところが、「それはオオカミではない」と動物学者が言います。 それが本当にオオカミではないと証明できる者はいません。 そして、その証明をしようとする動物学者もいません。 日本からオオカミを消してしまったのは、乱獲や駆除ではなく、オオカミ学者を自称する「日本オオカミ協会」の様な動物学者たちではないでしょうか。 「日本オオカミ協会」は「日本オオカミ少年協会」と名前を改めるべきです。
「ニホンオオカミ」の現存は確認されていません。 しかし、その存在を真面目に探し続けて、日々努力している方々もいます。 動物学者の全てが「日本オオカミ協会」のような存在ばかりではありません。 また「日本オオカミ協会」のプロジェクト自体は真面目に考えているとは思います。(人として腐っているだけで……)
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