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011 地域猫

日時: 2009/10/05 13:35
名前: ****

「地域猫」と言う言葉を聞いた事がありますか?

日本の生活様式の変化に伴い、「野良猫」への住民の対応が大きく変わりました。
昔は、ネズミを駆除する目的で多くの猫が街中を自由に闊歩していました。
そして、その頃には多くの「野良犬」も街にいたのです。
飼い犬も放し飼いされている事は珍しくなく、野良犬との違いは「首輪」をしているかどうかくらいでした。
狂犬病や犬に襲われる被害から「犬の放し飼いが禁止」され、野良犬も駆除されていきました。

街から犬が消えるとそこは「猫たちの天下」になりました。
天敵である犬が減り、野良猫の数が急増しました。
今でもですが、猫は放し飼いが基本です。
日本の法律に猫の放し飼いを禁止するものはありません。

高度経済成長以降、日本の街並みは大きな変化を遂げます。
道路は舗装され、所狭しと住宅などの建物が建てられました。
街から「空き地」と言われるものが消えていきました。
勿論、田畑などありません。
アスファルトやコンクリートで固められた土地に変わって行ったのです。

猫は地面を掘り起こし、排尿排便後に埋め戻す習性があります。
ところが、都会と言われる街では、この「掘り起こす」地面がありません。
かつては、空き地や田畑の畦などいくらでも有った排尿場所がなくなってしまったのです。
そこで猫達は、わずかに残された「土」を求め、住宅の庭やプランターへと群がる様になりました。
庭やプランターを掘り起こされ、糞尿は撒き散らす猫達はたちまち嫌われました。

「猫好き」と言えども、知らない猫に庭に糞尿をされたり、プランターを掘り起こされたら、嫌ですよね。

これらの被害を被った人達は、その矛先を猫だけでなく「野良猫に餌を与える人」たちにも向けました。
猫に餌を与えれば、当然、糞尿をします。
餌の確保に困らない野良猫は、更に繁殖して増える事になります。
野良猫が増えれば、更に被害が増える事になります。

こうした地域住民と野良猫の問題が主に「都会」と言われる地域で頻発しました。
勿論、現在進行中の問題です。
この問題を行政と地域住民が協力して解決した所があります。
神奈川県横浜市の一部地域です。
「保健所」と「地域住民(猫嫌い・猫好き双方)」が協力して「野良猫問題」に取り組みました。
この時に出てきたのが「地域猫」と言う考えです。

街にいる猫は大きく分類されます。
・「飼い猫」……誰かに飼われている猫。
・「地域猫」……地域の人達が世話をする猫。
・「野良猫」……誰にも世話をされない猫。

「飼い猫」は、餌も排尿排便も飼い主が責任を持ちます。
現在では、放し飼いをせず室内飼いをする人も増えています。
放し飼いをする場合は、飼い主が責任を持って「去勢」する必要があります。

「地域猫」は、基本的に飼い主のいない「野良猫」を地域の人達が世話をします。
繁殖させないために「去勢」を行い、「餌を与える」だけでなく、「糞尿」の片付けも行います。
「去勢」は寄付金やバザーの収益などで行い、「餌を与える」時には「食べ残しは片付け」ます。
食べ残した餌が、腐敗すれば悪臭を放ちます。また、腐敗した食べ物が不衛生でもあるため、この方付けはとても重要な事です。
猫達はほとんど決まった場所で排尿を行います。
そこで、「地域猫」が排尿しやすい場所を作り、地域住民(餌を与える人達)が毎日片付けます。
餌を与えれば出てくる糞尿も「猫好き」が世話をする。
「猫嫌い」の人も庭を猫が通る程度の事は我慢する。
お互いが譲歩し、野良猫たちも生きていける街を目指したモデルケースです。

この様に地域住民が取り組んだ猫との関わり方から生まれたのが「地域猫」です。


現在では、全国でこの考え方が広まってきています。
しかし、成功例をそのまま行えばよいと言うものでは有りません。
地域住民の考え方や立地条件などを検討して、各地域にあった方法を取り入れる事が大切な事ではないかと思います。
「地域猫」の考え方の被害例を挙げると「飼い猫が無断で捕獲され去勢されてしまった」などがあります。
警戒心の強い「野良猫の捕獲」は難しく、「捕獲を専門に行う業者」がいます。
たくさん捕まえれば報酬が増えるため、「飼い猫まで捕獲してしまう悪質な業者」も存在するのです。

野良猫の存在が、「猫好きvs猫嫌い」として大きくなり、お互いが罵り合うなどの悪循環に陥るケースが多いようです。
その解決策の一つとして「地域猫も有り」と私は思います。
本当は、自然のままに「野良猫に仔猫が生まれ」次の世代につながって欲しいのですが、野良猫達が捕獲されない「地域猫」と言う考えは現代社会においては仕方が無い妥協点なのでしょうね。
猫の糞尿は確かに不衛生でしょう。
しかし、街から猫がいなくなると必ず「ネズミ」が増えます。
人間が住む場所は、森よりも「ネズミ」にとってすみやすいからです。
年中暖かく餌も豊富な下水道は溝鼠にとって最高の生息場所です。
本来森林に住むクマネズミが都会の高層オフィスビルなどに住み着きます。
ハツカネズミよりもたくましく生きるクマネズミが都会に進出しているのです。
人間を最高のパートナーとしているのは、犬でも猫でもなくネズミなのです。
「ネズミ嫌い」の私には、その方が余程不衛生です。
ネズミが走り回る街なんて住みたくはありません。
猫がのんびりと日向ぼっこをする街に住みたいです。

人間の身勝手で増えた野良犬を徹底的に駆除したために猫が増え、
人間の身勝手で増えた野良猫を駆除したらネズミが増える。
人間の身勝手さが、人間に不満を作っている。
結局、諸悪の根源はいつも人間なんですね……。
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