099 猫はコタツで丸くなる? |
- 日時: 2013/02/18 08:45
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- 群れを作らず単独生活を基本とするネコ科動物は、警戒しながら浅い眠りを繰り返す。
猫(イエネコ)も同様に警戒しながら浅い眠りを繰り返す。 その典型が「香箱座り」と言われる両手を胸に隠している姿勢です。
スフィンクスの様に両手を前に投げ出した姿勢は、「香箱座り」よりも一段階警戒している状態です。 手のひら(肉球側)が地面に接しているのは、瞬時に飛び出せる状態なのです。 「香箱座り」と見せかけて、前足の肉球がが地面についた体勢は「香箱座り」よりも少々警戒している状態です。
猫が体を休める姿勢は、季節によっても変わってきます。 寒い季節は「香箱座り」が多いのですが、暖かい季節になると両後脚を投げ出し上半身を起こした姿勢が多くなります。 夏の熱い季節になると涼を求めて冷たいコンクリートなどに体の多くを密着させます。 これは、ライオンなど大型のネコ科動物たちが地面を掘って冷たい地面の上で横になるのと同じです。 ネコ科動物は、人間と違い汗による体温調整ができない為、上昇しすぎた体温を冷たい地面を使って下げているのです。
猫(イエネコ / Felis silvestris catus)の先祖は、 アフリカ北部〜中東のサバンナや低木の草原地帯に生息するリビアヤマネコ(Felis silvestris lybica)なので、 熱さには比較的強いのですが、寒さには弱いようです。
日本の童謡に「雪」(作者不詳)にも寒さに弱い猫が登場します。 ---------- ---------- ---------- ---------- 雪やこんこ 霰(あられ)やこんこ 降つては降つては ずんずん積(つも)る 山も野原も 綿帽子(わたぼうし)かぶり 枯木(かれき)残らず 花が咲く
雪やこんこ 霰やこんこ 降つても降っても まだ降りやまぬ 犬は喜び 庭駈(か)けまはり 猫は火燵(こたつ)で丸くなる ---------- ---------- ---------- ----------
猫は、自然界では「捕食する側」でありますが、小さな体ゆえに「捕食される側」でもあります。 日本に限れば、最大の天敵は犬(イエイヌ)で、キツネ・タヌキ、最近ではアライグマなどが敵です。 ですから、猫は高い場所や狭い場所が好きなのです。
そんな猫にとって、「暗くて狭くて暖かい」コタツの中は居心地が良い場所と言えます。 天敵から守られた人間の住処の中でも最高の場所でしょう。 唯一邪魔なのは「人間の足」くらいなものですが、自分の味方である体重比で10〜20倍もの巨大生物が自分に代わり警備してくれている証でもある。 そんな天国のような場所で「猫は丸くなる」のでしょうか?
答えは「丸くなる事もありますが、ほとんど伸びてます」です。
最高に警戒心を解いて、デロンデロンに伸びきってます。 コタツの中は暖かいので「丸くなる」必要がありません。 勿論、「自由な体勢」でいられる事から丸くなる事もあります。
猫が丸くなるのは、外気に体温を奪われない様にする為です。 そして、外気とは違い床面が暖かい(保温性が高い場所)時に良く丸くなります。 ですから、布団の上や膝の上・胡坐の上などに載ってくると丸くなって眠ります。
童謡「雪」が作られた頃の「火燵(こたつ)」は、現代の電気コタツではなく「炭火・豆炭・行火など」で暖を取っていたと思います。 今ほど温度調節も自由には出来なかったですし、物によっては今のコタツよりも寒かった事でしょう。 ですから、当時の猫達は「コタツで丸くなっていた」のかもしれません。
個体差があるので「絶対」とは言いませんけど……^^; 我が家の「野良猫クン」は、 スイッチの入っていない寒いコタツの中では「丸く」なり、 スイッチの入った暖かいコタツの中では「伸び」ています。
【参考画像】http://ryoquest.sakura.ne.jp/town/laboratory/gallery/0990.html
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