001 猫好き |
- 日時: 2009/10/05 13:30
- 名前: ****
- この街の名前から言って、住民の多くは「猫好き」なのではないかと思います。
もちろん、猫好きな方以外が住民になっても一向に構いません。 しかし、出来る事ならば、猫好きになってくれたら、嬉しいです。 皆さんは、自分が「猫好き」になった切欠を覚えていますか?
私は幼少の頃、猫が恐くて、家で飼っていた仔猫から逃げ回っていました。 私が2歳か3歳くらいの頃ですけどね。 仔猫は私の天敵でした。 子供の私は動きが遅く、遊びたい盛りの仔猫の格好の標的でした。 逃げる私を仔猫が追い掛け回す。 我が家で毎日繰り返される日常風景でした。 子供心に何故、こんなに恐ろしいものが家にいるのか不思議でした。 とにかく、恐くて恐くて恐くて恐くて、仔猫から逃げる毎日でした。
泣き叫び、逃げ回る私を家族はニコニコと眺めていました。 2歳年の離れた兄だけは、追い回す仔猫を捕まえて助けてくれました。 猫好きの兄は、私を助けるためではなく、仔猫を抱きたいだけなんで、 その後は、必ず私の所に連れてくるのですが……。
ある日の事です。 居間でテレビを見ていました。 畳の上に座り、両手を後ろに体を支える姿勢で……。 無防備にテレビに集中していた私の油断が命取りでした。 手の甲に何やら得体の知れない柔らかいのもが押し付けられたのです。
ん?何? テレビから視線を外し、右手を見ると、 仔猫が私の手の甲を踏みつけ歩いて行くではありませんか! 恐怖と驚愕の絶頂を人生で初めて体験した時です。 「わぁ!」と悲鳴を上げ、すかさず手を引きました。 私の悲鳴と手を引いた動作に仔猫が飛び上がりました。
仔猫と私は、突然の出来事にただ見詰め合っていました。 正に時間が停止していた。
肉球のモフモフ感は、私の予想を遥かに超えた感触で、 あの柔らかい生き物を触りたい!
そこから、我が家の仔猫は毎日私に追いかけられる事になりました。 仔猫とじゃれるなんて考えはありません。 とにかく「捕まえたい!」だけの子供に逃げ回る事しか出来ない仔猫。 状況は一変してしまったのです。 子供とは時に残酷な生き物です。 仔猫の触り心地を知ってしまった私は、追い掛け回し、 尻尾だろうと足だろうと捕まえられると思ったら飛び掛ります。 掴んだら、引っ掻かれようと噛まれようと放しません。 仔猫にとっては、恐怖の連続だったと思います。
あの肉球の感触が「私の猫好き」の初めの一歩です。
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